TASCハム愛好者の皆さんへ
「望星丸(JI1ZBK)を追いかけよう」
木南 恒雄(JJ1DIT) 1972年卒TASC代議員
望星丸の45回研修航海の際、アマチュア無線局を乗せて日本と交信実験をしながら研修航海を行うのでTASCメンバーは
支援するようにと中西会長から呼びかけがあったのは2013年初秋のことでした。
望星丸のアマチュア無線局のコールサインはJI1ZBK(クラブ局)、局長は電気電子工学科の村野准教授(元コミュニケーシ
ョン工学科講師)。基地局は高輪に置きコールサインはJA1YPF(クラブ局)、局長は組込みソフトウエア工学科の清水教授
(元通信工学科教授)です。 現在両局とも局免許整備と通信設備の準備中です。
アマチュア無線局免許の中で最も初級である4級は一日の講習又は国家試験で簡単にとれます。そして両局とも4級免許
で運用出来る出力10Wも装備しますので初級(4級)免許の方でも両局での交信に参加することが出来ます。この他、個人局
と望星丸も交信出来ます。以前アマチュア無線が趣味だった方や、現在は運用していないが既に免許を持っている方にぜひ
ご協力いただきたいと願っています。望星丸との交信にはメンバー以外の局にも記念交信証(QSL)が発行されます。高輪局
は免許者に公開されますので奮ってご参加下さい。公開時間、所在地は改めてお知らせします。
東海大学高輪アマチュア無線クラブ局のメンバーは現在12名ですが尚募集中です。
2014年の望星丸第45回研修航海は2014年2月15日(土)から3月27日(木)までの41日間。第44回で訪れた南太平洋の島々
とは異なり島嶼地方ではなくシンガポール等の大都市を巡るコースです。東京からは南南西から南西の方向になります。
ルートは清水の日の出埠頭を出航後、台湾を経て、ベトナムのハロン湾を経てソン川流域のタイラン、そしてタイ、バンコク、
チャオプチャラヤ川に寄港し、ほぼ赤道直下のシンガポールを訪れ、沖縄の那覇を経て、清水の日の出埠頭に帰港すると
いうルートをたどります。この間、望星丸は決められた時間と周波数で高輪校舎のアマチュア無線クラブを始め全世界の
個人、団体のアマチュア無線局と交信することになります。現在高輪と望星丸両局とも準備中ですが、交信する周波数は
7MHz帯と21MH帯が候補に挙がっています。この二つのアマチュア無線バンドは、望星丸の移動に合わせ、何れかで交信
が出来るからです。高輪アマチュア無線クラブのメンバーは、望星丸との交信が順調に行えるよう今では使わなくなってしま
った電子工学や電波伝搬等の講座を恩師の方々の思い出とともに改めて学び直しながら日ごと早朝より深夜まで電波の飛
び具合を確認しています。先日の建学祭のおり、松尾先生から無装荷ケーブルの講義を受け、今我々がこともなげに使って
いる同軸ケーブルのありがたさを改めて痛感している次第です。携帯電話と称する便利な通信機器が普及しています。さら
に地球の周りには66個の衛星が巡っており、それらを使ったKDDIのイリジューム衛星電話は、ちょっと大きめの携帯電話を
使えば世界のどこからでも簡単に通話が出来ます。またInmarsat衛星を使ったDoCoMoのIsat phoneなど利便性の高い通信
手段がいくつもあります。
イタリアからイギリスに渡りヘルツの波を使って無線電信を実用化し、会社を興したグリエルモ・マルコーニの時代から100年
余り、世の中の通信技術は飛躍的な発展を遂げました。現代の通信機器は、多層化プリント基板と高密度集積回を使って
成り立っています。作り込みの技術は高度になり、多重変調の技術を高度な数学よって造り、我々はその上高い周波数の
ヘルツの波を手中に収めました。コンピュータ応用技術も可成り使いこなせるようになりました。でもその大元は相変わらず
ヘルツの波であり、マックスウェルの方程式やブールの計算式によって造られています。大分振動数は増え、振動の仕方は
高度になりましたが、基本は変わっていません。少し時間的余裕のある方は、昔使っていた無線機を取り出して火を入れ、
物干アンテナを建て再免許申請をしてはいかがでしょうか。そして望星丸JI1ZBKを呼んでください。機器のない方は機器を作
りましょう。通信工学科OBですから。
われらが母校の望星丸は2014年2月15日に出航します。世の中はソチ・オリンピックに沸いているのかもしれませんが、この日
からJI1ZBKは本格運用になります。昔を思い起こしながら望星丸と交信しましょう。旧友との再会があるかもしれません。
これから始める方、昔に若返る方、皆で望星丸とコンタクトしましょう。
TASCハム愛好者の皆さん、ご興味がある方のご連絡をお待ちします。 JJ1DIT (木南)
e-mail : jj1dit@ham.email.ne.jp